群馬で、60年以上にわたり歩み続けてきたTOMARU。
そのはじまりには、先代の強い意志と、果敢な挑戦がありました。
戦後の混乱がようやく落ち着き、
人々の暮らしが少しずつ豊かになっていくなかで、
先代はこう願いました。
「良い服を、より多くの人に届けたい」
その想いを胸に、事業はスタートします。
当初は吉井の地で工場を構え、メーカーとしての道を歩み出しました。
その後、工場は新町へと移転。
さらに事業は拡大し、高崎・前橋・藤岡と複数の店舗を展開していきました。
時代の最先端を見据え、
アメリカの工場まで自ら足を運び、
オートメーション化や大量生産の技術に触れた先代。
地方では異例とも言える行動力と探究心で、
大きな可能性を模索していきました。
さらに、当時としては革新的だった広告やPRにも力を注ぎ、
著名な芸能人をモデルに起用するなど、
ファッションの持つ“感性”を表現する挑戦を始めます。
しかし、事業の急拡大と時代の流れは、順風満帆とはいきませんでした。
市場の変化とともに経営のかたちを見直す必要に迫られ、
やがて工場の縮小とともに、高崎店・前橋店を閉店。
最終的に藤岡の店舗ひとつに集約する決断を下しました。
そして、昭和57年。
現在のTOMARUの原点とも言える、
藤岡のセレクトショップが2代目の手でスタートします。
規模を追うのではなく、
“目で選び、手で届ける”スタイルへ。
本当に良いものだけを選び、丁寧に届ける――
そんな、私たちらしい形が、ここから始まりました。
現在は、二代目である父と母、そして三代目となる息子の三人で、
家族で力を合わせて店を支えています。
それぞれの視点と感性を活かしながら、
国内外から自分たちの目で確かめた服をセレクトし、
お客様のもとへと届けています。
イタリアやヨーロッパのインポートブランド、
そして日本国内の丁寧なものづくり――
どれもが、見た目の美しさだけでなく、
作り手の想いや背景が感じられる一着ばかり。
私たちは、ただ商品を仕入れるのではなく、
その一着に込められた“温度”までお届けしたいと考えています。
大量生産・大量消費の時代を経た今だからこそ、
選びたいのは、
「誰かの毎日に静かに寄り添い、時を超えて愛される服」
それが、TOMARUの変わらぬ信念です。
創業から今日まで、
家族で受け継ぎ、地域に根ざしながら、
ひとつひとつ丁寧に歩みを重ねてきました。
そしてこれからも、
変化を恐れず、誠実に、まっすぐに。
この場所から、
心ある服と、心地よい時間を届けていきます。